雛人形は、人形(ひとがた)や形代(かたしろ)と呼ぶ素朴な人形に災厄を移して海や川に流す祓いの行事と、平安時代に始まるお人形遊び(ひいな遊び)とが長い間に結びついて、現代まで伝わっています。
女の子がすこやかで優しい女性に育つようにと願いをこめて一生に一度贈る雛人形は、女の子の成長を見守り、その人生にずっと寄り添うもの、思いをこめて選んであげたいですね^^
雛人形の価格は手ごろな物から高級な物までかなり幅がありますが、高級な雛人形の詳細や価格の相場について紹介します。
高級な雛人形の違い
雛人形の歴史は古く、約1000年前、平安時代の中頃から続いていて、平安時代の民族衣装である十二単や、男雛の冠、笏、太刀、女雛の桧扇といった小道具など、平安王朝の格式を現代に伝えています。
時代は変わり、雛人形を作る技術も発展していますが、一方で伝統的な製法を守り続け、変わらないものもあります。
■造りの違い
低価格の雛人形は、高級なものと比べてみると仕上がりに違いがあり、肌の表面にざらつきがあったり、細部にバリ(不要な出っ張り)があったり、細工が単一になりがちなものもあります。
高級な雛人形では、頭部を作る頭師、頭部に髪を付ける髪付師、手と足を作る手足師、小道具師など、専門の職人が分業で作っているものもあり、丁寧に塗り重ねられた胡粉の白い肌はなめらかでツヤがあり、お顔には豊かな表情があります。
■衣装の違い
雛人形が身につけている衣装も、低価格のものは、化学繊維が使われていたり、反物から切り出して作った衣装を接着剤やホチキスで貼りつけてコストを抑えているものもあります。
高級な雛人形は、金やプラチナが入った金襴や正絹の織物を人形用に小さく織って特別に作った布を衣装に仕立てているものもあります。
専門職人の匠の技と最高の素材が結集した雛人形は、格調高く高級な芸術品となります。
高級な雛人形の相場とは?
雛人形の相場の価格帯は10~30万円です。
誰が買うかによっても相場が変わり、両親が購入する場合は10万円前後、祖父母から孫に贈る場合は20~30万円の雛人形が選ばれています。
雛人形は、25万円をこえてくるあたりから雰囲気がかわり、高級感や格調の高さが伝わってきます。
また、雛人形の形によっても値段が変わります。
■ケース入りの雛人形
ケース入りの雛人形は、人形や小道具がガラス製やアクリル製のケース内に備え付けられているため、見えない部分までの作りこみの必要がなく、その分価格が抑えられていて、手ごろな物の価格の相場は5~8万円です。
【雛人形】親王ケース入り ゆうかB(2人) 幅63cm 30-312 黒塗り 雛祭り |
ケース入りの雛人形のメリットは、ケースを飾るので飾っていてもほこりが付かず、出し入れが簡単ですが、ケースの筐体が意外とかさばり、収納に場所を取るというデメリットもあります。
高級なケース入りの雛人形は、十五人飾りの雛人形や、
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丁寧なしつらえの物がコンパクトにまとめられているものもなど、
高級感とこだわりが伝わってきます。
■親王飾りの雛人形
親王飾りは、お内裏様とお雛様に、屏風、ぼんぼり、桜と橙、ひしもちや三方などの道具がセットになっていて、女の子と一緒に飾り付ける楽しみがあります。
お内裏様とお雛様が立っている親王飾りの立雛は、かつては直立不動のが多かったですが、最近では動きがあって臨場感が感じられるデザインもあります。
親王飾りの雛人形の相場価格は10万円前後ですが、高級な親王飾りは、お雛様の顔や手に塗られた白い胡粉が滑らかでツヤがあり、着物の襲ねの仕上げが丁寧で、金襴や刺繍が施された衣装が美しく、お内裏様とお雛様のお二人だけでも十分な見ごたえがあります。
また、背景や屏風の金地に本物の金箔が使われているなど、上品な美しさが組み込まれています。
親王飾りは屏風や背景のデザインを含めて絵になっているものが多く、全体のバランスをみて選びたいものです。
■親王と三人官女の三段飾り
三段飾りは親王と三人官女と道具が揃っていてお雛様らしさがあり、下部の台の中にすべてが収納できるようになっていて、使いやすく人気があるデザインです。
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三人官女はお雛様の身の回りの世話係りで、中心の女性は既婚者で島台や三方といった道具を持ち、両脇の若い女性は長柄(ながえ)と提子(ひさげ)という道具を持って、お祝いの席のお酒を注ぐ役目を担っています。
相場価格は20万円前後で、高級品の雛人形だと三人官女もそれぞれの個性が作りこまれていて、中心の既婚女性は眉を落としお歯黒で、両脇の若い女性はまさにお酒を注ごうとして足の位置を違えて立っているものもあります。
■豪華な七段飾り
7段飾りの十五人揃いは最も豪華な雛人形です。
十五人の内訳は、お内裏様とお雛様、三人官女、大鼓・小鼓・横笛・謡の、地謡一人と囃子方四名で能楽を演奏する五人囃子、随身の右大臣と左大臣、台笠・沓台・立傘を持つ天皇が外出するときの従者の衛士で、作りのこんでいるものは、衛士の顔が泣き上戸・笑い上戸・怒り上戸と表情豊かになっています。
七段十五人飾りの雛人形の相場価格は20万円前後です。
ご参考まで、現代の名工の技術を結集した最高級ランクの七段十五人飾りの雛人形も。
高級な雛人形の人気ブランドは?
長きに渡り続いている伝統的な老舗や、現代風のおしゃれでかわいい人気ブランドを紹介します。
■久月
1835年創業、180年の歴史をもつ江戸時代からの人形専門店
■吉徳大光
正徳元年(1711年)創業の江戸で最古の老舗
■東玉
人形の街・埼玉県岩槻市が拠点、160年の歴史あり
■真多呂
創業260年、上賀茂神社が木目込み人形の正統伝承者として認定
■ひととえ
赤ちゃんがニコニコ笑う小さくかわいい雛人形
■リカちゃん
リカちゃん人形好きな方はもちろん、お雛様の顔が苦手という方にもおすすめ
⇒ リカちゃんの高級な雛人形(25万円以上)
■リヤドロ
スペインの古都バレンシアで作られるポーセリン製(磁器)
まとめ
雛人形は、女の子の末長い健康や幸せを祈って飾るお守りのようなものです。
置く場所やサイズ、予算も大切ではありますが、女の子が喜び、毎年飾るのを楽しみにし、生涯大切にしたいと思ってもらえるようなお雛様を選んであげてくださいね^^