みかんはそのまま食べてもおいしいですが、軽く煮込んでみかんジャムにしても、同じ柑橘類のオレンジマーマレードとは一味違い、さっぱりしていていおいしくいただけます。
みかんジャムは、みかんと砂糖を軽く煮込むだけなので作るのは簡単なんですが、重要なポイントをはずすと、どれだけことこと煮詰めても、再加熱しても、ゆるい水っぽい液状になってしまい、ゼリー化してできるとろみがつかないのです。
みかんジャムが固まらない原因と、固まらなかった場合の対処方法を紹介します^^
目次
固まるみかんジャムのレシピ
まずはジャム状にとろみがついて固まるみかんジャムのレシピを紹介します。
みかんは、スーパーなどでネットに入って6~7個入りくらいで販売されている、よくある小ぶりなサイズ(S~M)1個で、皮をむいた食べられる部分(可食部)が100gぐらいです。
わかりやすい分量で、みかん約10個分、過食部分1kg相当の分量でまとめます。
みかん 約10個(皮をむいて約1kg)
砂糖 300g(みかんの30%)
レモン汁 1/2個分(約大さじ1、15cc)
レモン汁は、ポッカレモンで代用してもOKです
この分量で作ると、材料の重さの合計が1kg+300g+15g=1315gで、半分くらいまで煮詰めるので、大体650gくらいのみかんジャムができます。
スーパーなどでよく目にするアオハタのジャムが380gなので、この瓶2個分弱くらいです。
1.
みかんの外側の皮をむく
白いスジや薄皮はそのままでOK
2.
みかんを横に半分に切り、種があったら取り除く
種が入っていると味にえぐみがでます
3.
みかんをジューサーやブレンダー、フードプロセッサーで粉砕して鍋に入れる
この後もう一度粉砕するので、この時点でみかんの薄皮が残っていてなめらかになっていなくても大丈夫です
4.
3を中火にかけて煮る
ぐつぐつ煮えて火が通ってくると、残っていた薄皮がやわらかくなります
5.
4をもう一度、ジューサーなどで粉砕し、ペースト状にする
熱いのでやけどに注意!
6.
5を鍋に戻し、砂糖とレモン汁を加えて中火で煮る
砂糖を一気にいれると鍋底に固まるので、みかん液を混ぜながらさらさらと少しずついれるときれいに溶かせます
7.
中火で煮ていると、灰汁(アク)の泡がどんどん浮いてくるので、こまめに取り除く
みかんジャムは、中火で短時間でどんどん煮てアクを丁寧にひくのが色よく美味しく仕上げるコツです
焦がすと焦げ臭さのあるジャムになるので、焦がさないように鍋底からかき混ぜてください
8.
みかん液が半分くらいになるまで煮る
半量ぐらいになってくると、液にとろみがついてきます
とろみの目安は、しゃもじやヘラなどの表面にみかん液を少量つけたまま斜めにすると、サラッと流れるようではまだ煮たりません
冷めるととろみが増すので、少し緩いかなと感じる、もったりと流れるくらいでOKです
9.
みかんジャムが熱いうちに、熱湯消毒した瓶に口切まで入れてフタをし、瓶をひっくり返して冷まして完成
冷めたみかんジャムは冷蔵庫で保管してください
みかんジャムが固まらない原因は?
みかんジャムを固めるポイントはレモン汁の酸度と砂糖の糖度の2点です。
今回のレシピの場合はレモン汁の酸度を利用してとろみをつけています。
酸度と糖度のどちらかが作用しないと、みかんジャムはとろみがつかず、固まりません。
とろみっぽくなるように、片栗粉やゼラチンをいれると、ジャムではなくゼリーになり、日持ちしなくなります。
まずはみかんジャム作りの酸度について説明します。
みかんジャムを固める方法(1)酸度
みかんジャムにとろみをつけるのに、みかんのスジや薄皮に含まれているペクチンという成分を利用しています。
みかんのペクチンは、pHが3.5以下で固まります。
今回のみかんジャムのレシピでは、レモンを入れることでpHの値を調整しています。
pH3.5と言われてもわからないですよね(^^;
正確に測るなら、pHが測定できるツールを使えば測れますが、
そこまで厳密にしなくても、ストレートのお酢やレモン汁の酸度がpH2~3ぐらいで、この酸っぱさを目安にします。
レシピ通りの割合でみかん液に砂糖とレモン汁を入れたものを味見してみると、みかんや砂糖の甘みもあるのですが、それに加えて、お酢やレモン汁をそのまま口にするほどではないですが、けっこうな酸味を感じます。
酸味がしっかり感じられるようでしたら、煮詰めていくうちにペクチンで固まると思います。
固まらない場合は酸度が不足しているので、酸度の調整をします。
酸度不足で固まらないみかんジャムを固める方法
酸度不足でミカンジャムが固まらない場合は、レモン汁を追加して、酸度をもっと足します。
酸度はクエン酸でも足すことができます。
クエン酸のpHは、お酢やレモンと同様のpH2ぐらいで、粉末になっていて少量でかなりの酸度が足せるので、少しずつつまんでみかん液に入れて酸味の度合いを味見してみます。
レモン汁やクエン酸で酸味を足してから再加熱すると、pH値が3.5以下になっていればとろみがついてきます。
みかんジャムを固める方法(2)糖度
レモンやクエン酸の酸度以外にもうひとつ、ミカンジャムのとろみ加減の鍵になるのが糖度です。
ジャムにとろみをつけるためには、糖度が60%以上必要です。
糖度が60%以上というのもまた、わかりにくいですよね(^^;
今回のレシピの場合の糖度を計算してみます。
みかんにも糖度は含まれているのですが、みかんによって糖度値が違い、簡単に数字がでないので無視します。
また、アクを引くと、そこに砂糖が含まれて、糖度が減っていきますが、これも測れないので無視します。
ということで厳密な数値ではありませんが、ジャムが固まる糖度の目安です。
みかんジャムの材料ですが、
みかん 約10個(皮をむいて約1kg)
砂糖 300g(みかんの30%)
レモン汁 1/2個分(約大さじ1、15cc)
となっていて、材料を全部足すと、全体の重さは約1315gとなります。
その半量になるくらいまで煮詰めるので、その時点での重さは657.5gです。
砂糖は煮ても蒸発しないので、そのうちの300gが砂糖です。
すると、糖度の割り合いは約46%で、この糖度ではとろみがつきません。
糖度不足で固まらないみかんジャムを固める方法
糖度を60%以上にする方法は2つあります。
②砂糖を最初から450g入れれば、全体の重さは1465g、半量まで煮詰めれば732.5gとなり、糖度が60%をこえて固まります。
どちらも糖度が高い分、甘みが強い仕上がりになります。
みかんジャムの保存方法
わが家では、ミカンジャムは、パンに塗ったり、ヨーグルトに入れたり、お湯に溶かしてホットオレンジにして飲んだり、ご近所さんや親戚に配ってしまったりして、けっこう短期間のうちに消費してしまうので、煮沸消毒した瓶に入れて逆さまにして冷ますという簡易的な消毒と密封だけで終わらせてしまっています。
瓶の煮沸消毒の方法(動画)
数ヶ月~半年保存するという場合は、煮沸消毒した瓶にみかんジャムを入れた後、さらに脱気煮沸をして殺菌します。
煮沸消毒と脱気(動画)
ジャムを入れた瓶のフタを開けると腐敗がはじまり、傷みはじめます。
また、温度が高かったり日が当たったりしても劣化します。
できあがったみかんジャムはフタを開けずに、冷暗所や冷蔵庫に保管します。
まとめ
みかんジャムを固めてとろみをつけるには、レモン汁やクエン酸の酸度を使う方法と、砂糖の糖度を使う方法があります。
私はあまり甘すぎないようにしたいので、酸度を使う方法を使っています。
旬の時期にはみかんの価格もお手ごろになり、さらに箱で買えばかなりお特な値段で購入できます。
みかんを箱買いで大量に買うと心配なのは、ハズレて甘くなかったり、食べ切れなくてしおれてきてしまったり・・ということ。
みかんをジャムにしてしまえば、たとえ酸っぱいみかんでも、シナシナとしおれてしまっているみかんでも、おいしく変身させられる上、長期保存も可能になります。
ちなみに私がよく箱買いするみかんは、『訳あり』というやつです(笑)
みかんの味は通常のものとかわらないのですが、みかんの皮に傷があったり、色むらがあったり、サイズがS・M・Lとバラバラの大きさで選別されずに入っていたり・・諸般の事情でお安くなっているというものです。
よくリピートしているのがこちらのみかんです。
↓
3箱分買うと4箱分が送料無料で届いてしまうという、ついつい3箱分注文してしまうみかんで、いまのところ味や甘みがハズれたことはありません。
みかんは小さいサイズのもののほうが甘みや味が強くおいしく感じられます。
そこで私は、訳ありみかんをお安く買って、その中の、比較的味や甘みが薄めの大きなみかんを選び出してみかんジャムにしてしまいます。
そのまま食べると、小さいサイズと比較するとイマイチなみかんでも、みかんジャムにしたら大変身しておいしく食べられます。
酸度や糖度のことがわかれば、トロっとおいしいみかんジャムが簡単に作れます。
みなさんのみかんジャムがおいしくできますように!