広島でかなり大きな
ノロウィルスの集団感染が
発生したのですが、
中毒が起きた施設は、
保健所からの自粛要請のあとも
調理施設を使用していた
とのことだったので、
気になって調べてみました。
世羅別館とは?
ノロウィルスによる
集団食中毒がおきたのは、
広島市の世羅別館です。
もともとは呉服屋さんで、
先の大戦での原爆被害からの
復興期に、京都の呉服屋さんが
広島に来たときに
呉服屋の座敷に泊まって
もらっていたのが
旅館を始めるきっかけで、
世羅旅館として
やってきていたのが、
昭和32年に世羅別館を
オープンしています。
立地がよくて、
レビューも好評です。
かつてはプロ野球の選手の
宿泊場所としても
使われていたこともある
名の知れている宿のようです。
世羅別館でのノロウィルスの発症状況
世羅別館に、11月9日~10日に
修学旅行で宿泊した
横浜市の高校生43人が
下痢や嘔吐を訴え、
広島市保健所では、
12日の午前中に
世羅別館に調理施設の
使用自粛を求めていました。
ところが、そのまま施設の
使用を続けていたようで、
12日~13日に宿泊した
滋賀県などの3つの小学校の
合わせて125人にも
ノロウィルスによる
食中毒の被害が拡大。
これまでに、214人が
ノロウィルスの感染と
確認されています。
自粛要請の強制力
すでにノロウィルスが発生して
保健所から自粛要請が
出た矢先の再発なのが
気になります。
保健所の要請というのは、
強制力はなく、旅館では、
ノロウイルスが発生した
原因が不明だったことや、
ほかの宿泊客の発症が
確認できなかったことなどから、
食事の提供を続けていたそうなんです。
ところがその後、翌日になって
従業員からもノロウイルスが
検出されたため、保健所は、
今度は集団食中毒として、
自粛要請ではなく、
食事の提供を禁止したのですが、
この日まで旅館に滞在していた
125人が発症したということです。
今年の2月から、ノロウィルスは
新型に進化していて、
すでにノロウィルスに
感染したことがある人でも、
違う型なので、免疫がありません。
そのため今年は、
そうでなくてもノロウィルスの
流行が懸念されています。
新型ノロウィルスについて、
こちらに詳しくまとめています。
⇒ 2015新型ノロウィルス流行、これまでのノロとは何が違うの?
自粛要請のユルさが
再発を招いてしまった
原因のようで、だとしたら
ちょっとお粗末ですよね。
一度発生させてしまったら、
施設や従業員を含めて
徹底的にクリアになるまで
自粛ではなく、禁止に
すべきではないかと
思わずにはいられない
事例です。
広島市で「感染性胃腸炎警報」を発令
広島県感染症発生動向調査で、
平成27年の第466週
(11月9日から15日)の
72の定点医療機関からの
感染性胃腸炎の報告患者数が、
国立感染症研究所疫学センターが
示している警報開始の
基準値以上となり、
11月19日に、広島県内に
「感染性胃腸炎警報」が
発令されました。
⇒ 「感染性胃腸炎警報」を発令
広島県感染症・疾病管理センター
(ひろしまCDC)
これ以上の感染の拡大を
なんとしても食い止めて欲しいですね