ヘッドホン難聴が世界の若者の間で
増えています。
高性能な携帯音楽プレーヤーや
スマホの普及で、街中で、
イヤホンや大型のヘッドホンを
つけて歩いている人が珍しくないですし、
現に私もイヤホンでよく音楽を聞いています。
ヘッドホンやイヤホンをよく使っている人で、
耳が聞こえにくくなったり、
耳が詰まった感じがしたり、
耳鳴りがしたり、耳に痛みがあるといった
症状があったら、
ヘッドホン難聴の疑いがあります。
ヘッドホン難聴のチェック
ライブやコンサート、クラブなどで
大音量で音を聞くと、耳が痛くなることは
ありませんか?
そしてその後、音がなくなっても
音が聞きづらくなっていたり。。
これは、「騒音性難聴」や「音響外傷」と
呼ばれていて、大きな音を聞いたことが原因で、
内耳の蝸牛の有毛細胞に障害が起こることで
発症する難聴の一種です。
ヘッドホン難聴につながる3つの要素
・大きな音を聴く
100デシベル(dB)の音を15分以上聴くと
難聴になりやすいといわれています。
デシベルとは、騒音レベルのことで、
航空機のエンジン音 130dB
雷 125dB
音楽コンサート 115dB
ドライヤー 100dB
電車 100dB
オートバイ 95dB
自動車 85dB
掃除機 75dB
普通の話し声 60dB
100dB以上の音は、意外と身近にあるのです。
耳は音の大きさだけでなく、
音を発しているものまでの距離が
近いほど聴覚にダメージを受けやすいため、
これらの音が難聴に即つながるわけではないので、
あくまで騒音レベルの参考ということで。
ヘッドホンやイヤホンは
音と耳との距離が近いので、
長時間使っていると難聴を起こしやすいのです。
・長時間聴く
たとえ適正な音量に設定していても、
ヘッドホンやイヤホンを使って
長時間音楽を聴くことは
耳にダメージを与えることになります。
・周波数が高い音を聴く
周波数の高い音ほど、耳に与えるダメージが
大きくなります。
高い音の周波数は空気中を伝播する間に
弱まるものですが、ヘッドホンやイヤホンを使うと、
あまり弱まることなく耳に伝わってしまいます。
難聴は気づきにくい
難聴は、日常ではあまり耳にする事のない
高い音域から聴こえが悪くなるために、
気づかないまま進行していることがあります。
耳が詰まった感じがしたり、
痛みを感じたり、耳鳴りがするといった症状があったら
すぐに耳鼻咽喉科を受診してください。
WHO(世界保健機構)では、
世界の中高所得国に住む12~35歳の
若者の半数近くの11億人が
ヘッドホンやイヤホンで音楽を聴くことで
難聴の危険にさらされていて、
聴力をいったん失えば二度と回復しないことを
肝に銘じる必要があると厳しく警告しています。
ヘッドホン難聴の予防方法
・適切な音量で聴く
静かな部屋で使用してみて
適切な音量に調節をし、騒音の多い場所でも、
その音量をキープするようにします。
適切な音量とは、ヘッドホンをつけたままでも、
人の声が聞こえるくらいの音量が目安です。
・疲れているときは、とくに音量に注意する
難聴は、疲労やストレス、体調などからも
影響を受けます。
疲労を感じていたり、睡眠不足や体調不良のときは、
音量を小さくし、長時間聴かないように
気をつけましょう。
・耳を休ませる時間をつくる
ヘッドホンで音楽を聴いた時間の3倍を目安に、
耳を休ませてください。
・耳鳴りや耳の詰まり、痛みを感じたら、
すぐにヘッドホンの使用をやめる。
これらの症状は、耳からのSOSです。
すぐにヘッドホンの使用をやめて、
耳を休ませるようにしましょう。
難聴は認知症につながる
難聴は人とのコミュニケーションに支障を与え、
周囲への無関心や社会的孤立につながりやすくなります。
また、耳が聞こえにくいことは
認知症のリスクを高めるという調査結果もでています。
何気なく聞いている音楽が
耳を痛めつけている危険性を
もっと意識したほうがいいようですね。