天気予報で、台風の情報を
「920hPa(ヘクトパスカル)です」
などと言っていますね。
お天気以外では耳にしない
このヘクトパスカルでいったい、
台風の何がわかるのでしょうか?
ヘクトパスカルの意味
台風の気圧の単位は、かつては
ミリバール(mbar)が使われていましたが、
1992年から、国際基準に合わせて
日本でもヘクトパスカル(hect Pascal)が
使われるようになりました。
ミリバールという単語を知っていると、
年齢がバレてしまうかもしれませんね(笑)
ミリバールとヘクトパスカルは、
1mb=1hPa で同じ意味で、
表示が変わっただけです。
「ヘクト」は、ヘクタール(ha)などにも
使われている単位で、100倍という意味です。
「パスカル」は、
『人間は考える葦である』の名言を残した
あのパスカルが由来です。
パスカルは、「パスカルの原理」と呼ばれる
法則を発見したことでも知られています。
そういえば昔学校で習ったな~と
パスカルの原理を調べてみたら、
ということで、学生生活が終わって
随分長い時が流れてしまっている私の頭では
もはや理解不能の内容でしたが。。
つまり・・圧力の伝わり方に関する法則です!
ヘクトパスカルは、台風の時には、
「920hPa」のように使われます。
これは、1hPaがどのくらい、という意味ではなく、
数字が小さいほど、台風の勢いが強くなることを
表しています。
気圧の低い台風の中心部に
周囲から大気が勢いよく流れ込み、
気圧の傾斜がきつくなって、
天気図で言うところの等圧線の感覚が狭くなり、
それに伴って風が強くなります。
ヘクトパスカルの数値だけ見ても、
どのくらいの風の強さの台風なのかは
わからないということですね。
台風の強さと大きさはココでチェック!
ヘクトパスカルで、台風の強さや大きさが
わからないとなると、
どこをチェックすればいいのでしょうか?
台風の情報をみてみましょう。
こちらは、2015年の台風第16号の
詳細情報です。
台風第16号 (アッサニー)
平成27年08月21日04時00分 発表
大きさ | 大型 |
---|---|
強さ | 非常に強い |
存在地域 | 父島の南東約650km |
中心位置 | 北緯23度20分(23.3度) |
東経147度05分(147.1度) | |
進行方向、速さ | 北西15km/h(9kt) |
中心気圧 | 930hPa |
中心付近の最大風速 | 50m/s(100kt) |
最大瞬間風速 | 70m/s(140kt) |
25m/s以上の強風域 | 全域190km(100NM) |
15m/s以上の強風域 | 全域560km(300NM) |
テレビ番組に登場するお天気お姉さんや
お天気キャスターのおじさんは、
ヘクトパスカルの数値を含め、
色々と長い説明をしゃべってはくれますが、
案外この詳細情報の内容は
さらっと話すぐらいだったりします(笑)
でも、台風のことがわかるのは、
実はこの詳細情報からなんです。
台風の強さは、「強さ」というところで
チェックします。
台風16号の情報にある
「非常に強い」というのは、
いったいどのくらいの強さなのでしょうか?
台風の強さの階級分けをみてみましょう。
階級 | 最大風速 |
---|---|
(特になし) | 17.2m/s以上~32.7m/s未満 |
強い | 32.7m/s以上~43.7m/s未満 |
非常に強い | 43.7m/s以上~54.0m/s未満 |
猛烈な | 54.0m/s以上 |
最大風速が17.2m未満のものは、
熱帯低気圧と呼ばれ、
17.2mをこえると台風になります。
【関連記事】最大風速17.2m/sってどんな風?
台風は、風速によって、
- 台風
- 強い台風
- 非常に強い台風
- 猛烈な台風
に分けられています。
台風16号は、中心付近の最大風速が50m/sなので、
「非常に強い台風」となっています。
お天気番組では、最大風速の数値や、
「強い台風」「猛烈な台風」といった
台風の種類に注目です!
台風の中心気圧って、台風に入って測るの?
気圧を測ろうと思ったら、
その場所に行って計測器で
測ることになりますよね?
台風の場合、台風の中心付近の気圧を
920hPaなどと言っています。
これは、台風の中心や目に行って
気圧の数値を計測してきたのでしょうか?
どうやって測るのか調べてみたら、
以前は飛行機で飛んでいって
台風の上から観測ブイを投下して、
データを取っていたのだそうです。
台風の上を飛行機で飛ぶなんて、
命がけのお仕事だったんですね。
現在では、海の沖に点々とある気象ブイや、
海上を航行している一般船舶の観測データ、
気象衛星からの赤外線や
マイクロ波などの画像から解析し、
過去のデータを参照して決めているそうです。
科学が発達してよかったです。
過去の巨大台風のhPaの参考値
観測史上、世界で最も低い
中心気圧を記録したのが、
1979年10月6日~20日に
紀伊半島に上陸した
昭和54年台風第20号です。
最低気圧は870hPaでした。
10月19日に和歌山県白浜町付近に
上陸し、紀伊半島での雨量は
900㎜を超える大雨になりました。
また、大型で暴風域が広かったため、
ほぼ日本全国を暴風域に巻き込み、
鉄道や高速道路などの交通機関が
麻痺状態になり、北海道東部では
漁船の遭難が相次ぐ被害となりました。
昭和三大台風のひとつ「伊勢湾台風」。
1959年9月21日~27日に発生して、
26日に紀伊半島に上陸し、
岐阜県、富山県を通り日本海へ抜けました。
超大型の勢力を保ち、
記録的な高波と大雨を起こし、
死者4,697人、行方不明者401人、
負傷者38,921人という
大きな被害を残しました。
伊勢湾台風の最低気圧は
895hPaでした。
昭和三大台風の残りの2つ、
1934年の「室戸台風」は911hPa、
1945年「枕崎台風」は910hPaでした。
普段の日本周辺の平均気圧は
約1013hPaです。
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