エンテロウイルスD68の予防と治療方法

Pocket
LINEで送る



手の洗い方

エンテロウイルスD68が
アメリカで大流行し、
日本でも感染者がでています。

体に麻痺がでたり、
アメリカでは死亡例もでている
エンテロウイルスD68の
治療と予防の方法をご紹介します。

エンテロウィルスD68、大流行の懸念

NHKのニュースで、
国内でのエンテロウィルスD68について
報道されていました。

風邪のような症状に始まり、
体の麻痺がおこっている患者がいて、
そのうちの一部から
エンテロウィルスD68が
検出されているのです。

アメリカでは昨年、1000人以上が
エンテロウィルスD68感染しており、
日本でも、大流行が懸念されています。

【関連記事】
⇒ エンテロウィルスD68、体の麻痺の症状に注意!!

エンテロウイルスD68の治療方法

国立感染症研究所の
エンテロウィルスD68の
Q&Aからまとめます。

⇒ 一般の方向け: エンテロウイルスD68(EV-D68)感染症に関するQ&A (国立感染症研究所)

治療方法については、

現在、EV-D68感染に対する特異的な治療、抗ウイルス薬はありません。症状に応じた対症療法、支持療法が中心となります。
米国では気管支喘息の既往を持つ小児では呼吸器症状の重症化のリスクが高いと言われており、現行の喘息治療と、症状が増悪する前の早期の受診が望ましいと考えられます。
急性弛緩性麻痺にはガンマグロブリン療法など各種治療が行われていますが、確立した治療指針は現在ありません。

と書かれています。

ノロウィルスなども
そうなんですが、
ウィルス性の疾患は
効果のある抗生物質やワクチン、
治療法がないそうなんです。

感染者に対する処置は、
辛い症状や痛みなどを軽減させる
対処療法・支持療法となります。

感染しないように、
予防を徹底したいですね。

エンテロウイルスD68を予防する方法

予防する方法については、
国立感染症研究所のQ&Aには、

現在、EV-D68に対するワクチンはありません。感染予防はインフルエンザなどの他の呼吸器ウイルス感染症の対策と同様に、飛まつ感染予防と、手洗いにより接触感染(病原体が付着した手から鼻や口への感染)を避けることが大切です。
EV-D68等による呼吸器感染症が疑われる場合にはできる限り咳エチケットを実施する、家族などの手洗いを励行する、飛まつ対策を行うことなどが重要です。
日常的な感染症予防の基本としてこれらの衛生指導を徹底することが有用と考えられます。

と書かれています。

マスクを装着することによる
飛まつ感染予防と
手を洗って接触感染を避けることで
感染しないようにすることが
なによりの対策なんですね。

エンテロウイルスD68は
他のウィルスと同様、
次のようなことで予防できます。

  • 流水と石鹸にて20秒間の手洗いを頻回におこなう。特に、オムツを交換したあとには手洗いをする。
  • 手洗い前の手で目、鼻、口に触れることを避ける。
  • 病気の人とキス、抱擁、コップや食器の共有を避ける。
  • 病気の患者がいる場合には、玩具やドアノブのような手指の高頻度接触表面の消毒を頻回におこなう。
  • 喘息の人は呼吸器疾患のハイリスクなので、この時期には薬剤を用いて喘息をコントロールする。また、喘息の人はインフルエンザワクチンを接種すべきである。

⇒ エンテロウイルスD68(健栄製薬株式会社)から引用

また、国立感染症研究所のQ&Aには、

エンテロウイルスはエンベロープを有さないウイルスであり、アルコール消毒には比較的抵抗性が強いとされています。
次亜塩素酸による消毒は有効です。

と書かれています。

ポイントは、

  • エンベロープを有さないウイルス
  • 次亜塩素酸による消毒は有効

の2点です。

エンベロープとは封筒のことで、
ウィルスのエンベロープとは、
ウイルスの最も外側にある
膜状の構造のことです。

エンベロープがある
インフルエンザウィルスなどは、
石けんやアルコール消毒などで
エンベロープが破壊できて
殺菌できるのですが、
エンベロープがない
ノロウィルスやロタウィルスは
破壊できません。

エンテロウィルスD68も
エンベロープがないタイプです。

エンベロープのないウィルスは、
ハイターなどの家庭用漂白剤に
含まれている
次亜塩素酸ナトリウムで殺菌できます。

国立感染症研究所のQ&Aにも、
エンテロウィルスD68は
「次亜塩素酸による消毒は有効」
と書かれています。

ただ、有効な濃度が書かれていません。

エンテロウィルスD68を
殺菌消毒できる
次亜塩素酸ナトリウムの濃度ですが、
こちらの情報によると
⇒ 感染対策情報レター(Y’s Square)

エンテロウイルスに対する1~2%グルタラール、200~500ppm次亜塩素酸ナトリウム、90℃5秒熱消毒の有効性を示す報告があります

となっています。

200~500ppmの
次亜塩素酸ナトリウムによる
殺菌消毒となると、
ノロウィルスと同様の対策で
いいようです。

次亜塩素酸による消毒については、
ノロウィルスの殺菌方法を
ご参照ください。

⇒ ウィルス対策できる次亜塩素酸ナトリウム入りの塩素系漂白剤はどれ?
⇒ ノロウィルス対策の消毒液、水とハイターの割り合いは?

皮膚のしわの中に入ってしまうほど
サイズが小さいノロウィルスですら
しっかり洗い落とせる
手洗いの方法は、
こちらに詳しく紹介しています。

⇒ ノロウィルス予防、あなたの手の洗い方で洗い落とせてますか?





シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする