膵臓がんに対する
新しい治療方法
フォルフィリノックス療法
(FOLFIRINOX)、
これまでの治療法と何が違うのでしょうか?
膵臓がんとは?
膵臓は食物の消化を助ける
膵液の産生(外分泌)と、
インスリンやグルカゴンなど
血糖値の調節に必要な
ホルモンの産生(内分泌)の
役割を果たしています。
胃の後ろにあり、
長さ20cmほどの細長い形をしています。
この細長い膵臓を貫いて、
網の目のように走る、
膵管という細い管があり、
膵臓にできるがんのうち90%以上は、
膵管の細胞にできます
早期の膵臓がんには
自覚できる症状がなて
早期発見が困難な場合が多く、
膵臓がんと診断された
患者さんのうちの8割が
病気が発覚した時には
手術不可能なくらいに
進行していると言われているそうです。
毎年30,000人以上の方が
膵臓がんで亡くなっています。
元横綱千代の富士の九重親方が
膵臓がんを発症しています。
フォルフィリノックス療法とは?
膵臓がんの治療には
- 外科療法
- 放射線療法
- 化学療法(抗がん剤)
の3つがあり、がんの進行度と
全身の状態などを考慮して、
このうちのひとつ、
あるいはこれらを組み合わせた
治療が行われます。
化学療法(抗がん剤)は
内服薬や注射薬によって
抗がん剤を全身へいきわたらせ、
がん細胞の増殖や進展を抑える
全身的な治療です。
フォルフィリノックス療法は、
2013年12月に
健康保険の適用が承認された、
膵臓がんに対する新しい治療方法で、
化学療法(抗がん剤)に
- オキサリプラチン
- イリノテカン塩酸塩水和物
- レボホリナートカルシウム
- フルオロウラシル
の4つの抗がん剤を併用します。
「オキサリプラチン」とは、
日本で開発された
プラチナ(白金)系の抗がん剤で、
がん細胞のDNAと結合することで、
DNAの歪みをつくり出し、
がん細胞の増殖を抑え、
腫瘍を小さくする作用を
持つ薬剤です。
「イリノテカン」とは、
中国原産の喜樹から
取り出した成分から
合成した抗がん剤で、
細胞の分裂の際
DNAの分裂が進まないようにする
働きがありがん細胞が
増殖することを阻止し、
やがて死滅させます。
「レボホリナート」とは、
ビタミンの一種で、
この薬剤自体に抗がん作用はなく、
この後に投与するフルオロウラシルの
働きを高める作用があるため
組み合わせて使います。
「フルオロウラシル」とは、
がん細胞の増殖に必要なDNAの
合成を阻害し、RNAの機能を
傷害することで、
がん細胞の成長を抑えたり、
腫瘍を縮小する作用を持つ薬剤です
フォルフィリノックス療法の効果
これまで膵臓がんの
抗がん剤として用いられてきたのは
ゲムシタビンという薬剤で、
薬の有効率が9.4%、1年生存率は20.6%でした。
フォルフィリノックス療法は、
有効率が31.6%、1年生存率48.8%という
データが出ていて、
高い効果が期待できることがわかります。
フォルフィリノックス療法の副作用
抗がん剤は、がん細胞だけでなく
体の正常な細胞にも作用し、
副作用となって現れます。
フォルフィリノックス療法で
予想される主な副作用は、
■自覚症状があるもの
食欲不振
吐き気・嘔吐
下痢
末梢神経障害
便秘
口内炎
発熱
疲労感、
発疹
脱毛
手足症候群
など
■自覚症状がないもの
(血液検査からわかるもの)
骨髄抑制(白血球減少・赤血球減少・血小板減少など)
肝機能障害、
腎機能障害
などがあります。
(以上の情報は、
FOLFIRINOX 療法 – 国立がん研究センターを
参考にしました)
まとめ
私の親戚は、抗がん剤治療で
フォルフィリノックス療法で
予想されている副作用と
ほぼ一致している副作用で
かなり苦しみました。
フォルフィリノックス療法の
副作用については、
副作用に関する治療も
並行して行うようになっています。
私の親戚も、副作用の治療も
同時に行っていましたが、
あまり効果はありませんでした・・
医学の進歩で、がん治療で
副作用がおこらずに
病気が治療できるようになることを
願うばかりです。