クルミのカンパーニュ(長時間低温発酵で衝撃の開眼)

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クルミのカンパーニュ

長時間低温発酵を試してみています。

時間をかけることで熟成が進んで
パンが甘くなるとか美味しくなるとからしいのですが、
長時間パン生地を冷蔵庫に入れてみても、
どうもその効果がわからないのです(^^;

そこで、長時間低温発酵では何が起こっているのか調べて、
それがパンに反映されるように取り入れてみたところ、
衝撃的なパンが焼けました^^

長時間低温発酵とは

小麦粉と水を混ぜて捏ねることで、パン生地の中で、
発酵、グルテン組織の形成、熟成、水和が始まります。

進行のスピードは、発酵→熟成→水和の順。

発酵では、イースト内部に存在する酵素による
インベルターゼ活性で、砂糖の主成分である
多糖類のショ糖が単糖類(ブドウ糖と果糖)に分解され、
マルターゼ活性で、小麦粉のでんぷんが
同じく単糖類のブドウ糖に分解されます。

その単糖類をイーストが栄養として使い、
アルコール、炭酸ガス、芳香物質などが生成され、
様々な材料が混ざり合う中での酵素の働きで
生地内部で複雑な化学変化が起こり熟成します。

パン生地内部の発酵、熟成、水和などの物質的な変化は、
生地や室内の温度が高い方が早く進みます。

でんぷんや砂糖から単糖類を作るのには、
単糖類が分解されてアルコールや炭酸ガスが
発生するのより時間がかかり、
また温度が高い状態で発酵が早く進んでしまうと、
スピードの遅い熟成、水和が不充分となり、
いかにこれらのバランスをよくするかが
美味しいパンのコツのようです。

長時間低温発酵は、発酵に時間をかけることで
たくさん糖が作られてパンに甘みや旨味が
残るという仕組みなんですね。

パン作りで、こんなに奥が深いことが
起こっていたなんて w(゚ロ゚;w

パン作りのレシピが十人十色なのは、
それぞれの環境や材料でバランスが変わってくるからで、
他人のレシピ通りに作っても同じようにはできないし、
自分好みのパンを作るには、自分に合った
マイレシピを編み出さないといけないのですね。

うーん、面白~い♪^^

ということで、私のパンですがw

継ぎ足しで使っている天然酵母元種
ひょっとしたら長時間低温発酵なのかも!?
という発想が浮かびましたが、粉と水と酵母だけなので、
これだとショ糖が不足していそうで、
そんなこんなを考えていて思い出したのが、
熊崎朋子さんのKonaサロンのパンの焼き方でした。

夜仕込んで朝焼きたてを食べるおいしい天然酵母パン/熊崎朋子

粉と水と酵母から中種を作り、そこに粉や材料を入れて
冷蔵庫で長時間低温発酵させる方法です。

これまで、色々なパンの焼き方の本を参考に、
自分の条件でできる方法を何種類か試してみましたが、
熊崎さんの方法は、ばっちり再現できたわけではないのですが、
私が焼いた中では一番しっとりもっちりしたクラムで、
甘みがあって美味しいパンでした。

以前、私が熊崎さんの方法で作った中種と、

中種

焼きあがったパン(見た目が悪いですね(/ω\)イヤン)。

クランベリーのカンパーニュ

ただ、クラムの一部が、生焼けではないのですが、
なんだか生のようになっていて、

クランベリーのカンパーニュ(スライス)

この本のAmazonのレビューによると、
中種の発酵不足が原因だったようです。

熊崎さんの中種作りは、発酵状態を見ていないとならず、
仕事や用事で外出の多い私では、
時間調整的に再現が難しい方法でした。

でも、長時間低温発酵の仕組みを調べてみたら、
熊崎さんの方法の意味がわかってきました。

中種で酵母を大量に増やしておいて、
その中種を入れた酵母たっぷりの生地を
冷蔵庫で長時間低温発酵させています。

1次・2次発酵ともに生地がほとんど膨らまないのですが、
酵母が入っているので、生地が膨らんでいなくても
生地内に炭酸ガスがあるのです。

熊崎さんのレシピに材料の比率を近づけて、
私の継ぎ足しの天然酵母元種を中種のように使い、
マイレシピで焼いてみました。

クルミのカンパーニュのレシピ

<材料>
国産小麦粉(春よ恋) 140g
継ぎ足しの天然酵母元種 250g
卵+ぬるま湯 75g
塩 5g
きび砂糖 10g
バター 10g
クルミ 50g

    

クルミのカンパーニュの作り方

材料を全て混ぜる
パン生地を捏ねる 3分
冷蔵庫で長時間低温発酵(オーバーナイト) 6時間
3つ折りで縦横に2回丸めて成形
2次発酵 1時間半
霧吹きでパン生地全体を湿らす
カミソリで切ったクープに太白ごま油
予熱済みの900wの電気オーブンで200度7分160度23分焼成

【関連情報】
国産小麦粉と天然酵母の手作りパン、まとめ(随時更新)

長時間低温発酵の効果を実感^^

材料を全て混ぜて、捏ねすぎないように
なんとなく捏ねあげたところ。

本の写真よりも水分は多めのようです。

焼き上がりで結構クープ内に裂け目がでたので、
もう少し捏ね時間を延ばしたり、
水分を増やしてみてもいいかもしれません。

クルミのカンパーニュ、捏ねあがり

冷蔵庫に入れて6時間後。
表面が滑らかになり、サイズは変化なし。

クルミのカンパーニュ、1次発酵終了

2次発酵後もサイズは変わらず、
いつも通りクープを入れる

クルミのカンパーニュ、2次発酵終了、クープ入れ

あまりにも小さいので心配でしたが、
焼いているうちに膨らんできました^^

焼き上がり。
材料はいつもと同じくらいの量なのですが、
かなり小ぶりなサイズで、どっしりした感じです。

香りがいつもと全然違って香ばしく、
香りがいい時は美味しいので、期待がもてます^^

クルミのカンパーニュ

スライスして食べてみると、
いつもと同じ材料なのに、衝撃的に違いのある
美味しさと甘みのあるパンが焼けていました!

しっとりしたパンで、切りやすくて、
小さいサイズながら、いつも通り7枚切りにできました。

クルミのカンパーニュ(スライス)

クラムはしっとりもっちり。

継ぎ足しの天然酵母元種は、
しっかり発酵していることもあってか、
生焼け状態はまったくでませんでした。

クルミのカンパーニュ(クラム)

甘みが多いせいか、底の部分が
キャラメリゼというと大げさですが、
カリカリと香ばしくてこれまた美味しい♪

クルミのカンパーニュの底

ということで、これはもう、Konaサロン風の
長時間低温発酵のマイレシピを
追求せずにはいられない事態となりました^^

これから夏に向けて気温が高くなってくるので、
冷蔵庫で発酵させられるのは管理しやすいですし、
オートリーズ、パンチ、ベンチタイムが必要なくて
工程が少なくて楽です( *´艸`)ムフ

私がこれまで長時間低温発酵の違いを
実感できずにいたのは、
冷蔵庫に入れる前の生地内の酵母の量が少なかったり、
2次発酵でたっぷり膨らませていたので、
そこで、1次発酵で作られた糖が
消費されてしまっていたのかなと想像しています。

そんな想像をふまえつつ、
元種や水分の量、捏ねる時間などを変えて
検証をしていきます。

【追記】
長時間低温発酵のマイレシピ、
完成しました^^
⇒ ポリ袋で長時間低温発酵





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